技術情報
泥水二次処理剤自動添加システム
TAC技術情報 S-017001
余剰泥水の比重・移送量に連動した二次処理剤の自動添加
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概 要
泥水式シールド工法の二次処理剤の必要添加量は、泥水中の懸濁粒子量に比例します。例えば懸濁粒子(SS)1トン当たりPACは25kg、TGスコールでは2kgです(下表参照)。しかし、掘進土質によって泥水性状が変化して余剰泥水の比重(懸濁粒子量)が変動するため、従来の方法では、二次処理剤の添加量が過剰(低比重の場合)、過小(高比重の場合)となる課題がありました。
本システムは、余剰泥水の比重と移送量に連動して、適正な二次処理剤の量を自動添加します。これによって、二次処理剤の使用量の低減とともに脱水ケーキ量(建設汚泥)の低減が可能です。
お客様のメリット
- 二次処理剤の使用量低減、脱水ケーキ量(建設汚泥)の低減によって、コストダウンと環境負荷軽減が図れます。
- 二次処理剤自動添加装置はコンパクトにユニット化されており、狭隘な場所でも設置可能です。
- TGスコールの荷姿1tonはPAC12.5tonに相当するので、TGスコール使用時には貯蔵空間と材料運搬車両の低減が可能です。
特 徴 【特許登録:特許第6775136号】
- スラリー槽に移送する余剰泥水の比重および流量を計測し、計測値に基づいて二次処理剤の必要移送流量を演算・制御します。
- 二次処理剤自動添加装置は、希釈水用の中速ポンプと二次処理剤用の低速ポンプをコンパクトにユニット化しています。
- 中央制御室オペレータによる操作が可能で施工性が向上します。そして、余剰泥水比重・流量や二次処理剤濃度・添加量等を数値・グラフにて記録に残し確認できます。
施工実績
施工 着手年 |
発注者 | 工 事 名 | 施工 場所 |
シールド 外径(mm) |
延 長 (m) |
備 考 |
2016 | 京都府 | 桂川右岸流域下水道幹線管渠工事(雨水南幹線管渠) | 京都府 | 4,040 | 4,057 | |
2017 |
大阪府 広域水道企業団 |
送水管布設工事(庭窪万博系統連絡管・摂津市ほか) | 大阪府 | 2,130 | 6,301 | |
2020 | 相模原市 | 公共下水道境川第28バイパス雨水幹線整備工事 | 神奈川県 | 3,790 | 2,729 | |
2021 | シンガポール 公益事業庁 |
Deep Tunnel Seweraga System Phase 2 T10工区 | シンガポール | 7,415 | 2,979 |
技術登録
1) NETIS登録番号:KT-180039-A 2) NNTD登録番号:1249
- 第23回国土技術開発賞 創意開発技術賞受賞 2021年 9月
- 令和4年度土木学会賞 環境賞(Ⅰグループ)受賞 2023年 6月