技術情報
ReBackシステム
TAC技術情報 B-021001
シールド工法における掘進停止時裏込め圧保持システム
概 要
従来、シールド工法の裏込め注入は掘進停止時には実施せず、裏込め材の圧力低下に伴うテールボイド沈下に課題がありました。“ReBackシステム”(以下「本システム」)は、既に注入された裏込め材を加圧保持する技術で、通常の裏込め注入システムに新たなシステムプログラムを追加し、掘進停止時も裏込め注入ポンプを自動運転します。
本システムは、起動前に設定圧の上限値と下限値を入力し、計測している裏込め材の圧力が下限値を下回ると裏込め材(A液+B液)またはA液(主材)を自動注入し、裏込め材の圧力が上限値に達すると注入を自動停止するもので、裏込め材の圧力低下を抑制してテールボイド沈下を最小限にする新しい裏込め注入方式です。
お客様のメリット
- 掘進停止時にも裏込め圧を保持できるため、テールボイド沈下を最小限にできます。
- 裏込め圧のシステム設定によって、自動注入・停止が可能なため、施工性が向上します。
- 確実なテールボイド充填が可能となるため、トンネル覆工の品質向上が図れます。
- 裏込め材の追加注入は、後続沈下の抑制、セグメント安定も促進され、地盤変位と応力解放を最小限にでき、小土被り・超近接・併設シールド工事のより合理的な設計、施工を可能とします。
特 徴
泥水式シールド工事(シールド径3,320mm、延長2,050m)で実証施工を行いました。
シールド路線上に4か所の計測点(図-1)を設け、各計測点で地盤変位を自動計測することで、本システムの設定圧の変化(表-1)による地盤変位を確認しました。
【実証施工結果】
- ケース1(システムなし):掘進完了直後の裏込め圧は、注入を停止してすぐに100kPaから50kPaに低下した(図-2)。シールド通過後地表面変位量は1.6mmの沈下(表-2)。
- ケース2(システムあり):掘進完了後の裏込め圧は、本システムによって90~110kPaの範囲で圧力が保持されている(図-3)。地表面変位量は0.8mmの沈下(表-2)。
共同開発
日本シビックコンサルタント株式会社、戸田建設株式会社、株式会社タック
【特許番号: 特許第6479868号 「裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システム」】
技術登録: “ReBackシステム”
NETIS登録番号:CG-210010-A
NNTD登録番号:1384