技術情報
NEOーTAC工法
TAC技術情報 B-013002
地盤沈下を抑止するエア系二液性可塑状型裏込め注入工法
概 要
NEO-TAC工法は、A液(モルタル)中に気泡を混入(空気量がA液の15%)した二液性可塑状型裏込め注入工法で、気泡による材料特性と注入中のクッション作用によって、地盤沈下を従来以上に抑止でき、周辺環境への影響抑制が図れます。
お客様のメリット
- A液は単位水量が少なく粘性があるため、静止時にも材料の沈降分離が無く、長距離圧送が可能です。
- 微細な気泡のベアリング効果によって、テールボイドへの充填性が向上します。
- 裏込め注入材が強度発現するまでは、気泡のクッション作用(加圧注入された注入材中の気泡はテールボイドの圧力に復元しようとする)の残存圧力によって、注入圧力の変動を平準化し、周辺地盤への応力変化を低減して沈下を抑止します。
- シールド機からの同時裏込め注入の場合、シールド機オペレーターが運転席で掘進に合わせた自動裏込め注入が可能で、注入圧・量をリアルタイムに管理します。そして、注入データは掘進1リング毎に数値・グラフにて記録に残して確認できます。
- A液の材料分離抑止によって、連続注入が可能です。その結果、A液管の水洗浄は原則1週間(6稼働日)の掘進終了後の1回で済みます。水洗浄を毎日の昼・夜勤終了後に行う場合に比べ、1週間で1/12の回数に削減でき、排水処理量の削減と施工性・経済性の向上が可能です。
特 徴
- 助剤(ベントナイト混入粘土、ベントナイト)は、清水で先練りしてベントナイトを水膨潤させたものをA液の作液に使用します。その結果、A液中の気泡が消泡しないで安定するとともに粘性が向上し、優れた流動性とブリーディングによる材料分離抵抗性が得られます。
- 裏込め注入材が強度発現するまでは、気泡のクッション作用の残存圧力によって、テールボイドでの応力解放を低減できます【下図➀】。そして、裏込め注入材の強度発現時には、A液が単位水量を減少させ水セメント比を向上できていることから、早期強度発現と強度増進効果を得ることができます【下図②】。
主な施工実績 (延長4,000m以上、2022年10月現在)
施工 着手年 | 発 注 者 | 工 事 名 | 施工場所 | シールド 外径(mm) | 延長(m) | 備考 |
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2022 | 東海旅客鉄道(株) | 中央新幹線第一首都圏トンネル新設(梶ヶ谷工区)ほか工事 | 神奈川県 | 14,040 | 4,830+2,570400₊4,280 | 施工中 |
2021 | 北千葉広域水道企業団 | 導水管更新に伴うトンネル築造工事 | 千葉県 | 3,280 | 4,864 | |
2021 | 京都市 | 新山科浄水場導水トンネル築造工事 | 京都府 | 3,950 | 5,235 | 施工中 |
2018 | 名古屋市上下水道局 | 名古屋中央雨水幹線下水道築造工事(その2) | 愛知県 | 6,930 | 4,988 | |
2017 | 関東地方整備局 | 横浜湘南道路トンネル工事 | 神奈川県 | 13,590 | 8,150 | 施工中 |
2017 | 大阪市 | 大隅~十八条幹線下水管渠築造工事(その10) | 大阪府 | 5,850 | 4,072 | |
2016 | 京都府 | 桂川右岸流域下水道幹線管渠工事(雨水南幹線管渠) | 京都府 | 4,040 | 4,053 | |
2015 | 東京都 | 東大和市桜が丘三丁目地先から砂川中部浄水所間送水管(2000㎜)用トンネル築造工事 | 東京都 | 3,080 | 4,447 | |
2012 | 東京ガス(株) | 埼東幹線柿木シールド工事 | 埼玉県 | 2,350 | 6,638 | |
2010 | 大阪ガス(株) | 姫路・岡山ライン非開削工事(H3) | 兵庫県・岡山県 | 2,280 | 5,527 |
技術登録
1) NETIS登録番号:KT-160103-A 2) NNTD登録番号:1187
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