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仮壁切削時のチャンバー内性状とクレーショックの効果

技術情報

仮壁切削時のチャンバー内性状とクレーショックの効果

TAC技術情報 C-024001

仮壁切削屑のスムーズな排出を実現
概  要

 近年、シールドの発進・到達時には、仮壁を直接切削する事例が増えています。この仮壁直接切削工法の課題として、仮壁の大割れ抑止と仮壁素材のカッターディスクへの絡みつき抑止が挙げられます。
 これらの対策として、可塑状材料であるクレーショックをチャンバー内に充填することで、チャンバー内土圧を適正に保ちつつ、切削屑と混練することで効率良く排出することができます。また、裏込め注入材で用いる安定剤TAC-Reを付加することで、長期間柔らかい性状を保持することができ、掘進停止等の施工の長期化にも安心して施工に臨むことができます。

お客様のメリット
  • クレーショックが仮壁切削屑と混練されることで良好な排土性状を得ることができ、切削屑の沈み込みや素材の絡みつきを抑止することができます。
  • クレーショックに安定剤を付加することで、柔らかいチャンバー内土砂性状を長期間保持できるため、掘進停止等の施工の長期化にも安心して再発進することができます。
  • 必要に応じてチャンバー内にクレーショックを再注入することで、チャンバー内土砂に粘土相当の強度を付与して切羽の安定を図ります。
クレーショックを用いた仮壁切削時のチャンバー内性状
  • 下表の充填材50%測定例に示すとおり、クレーショック単体の場合、セメント分を含んだ仮壁材切削屑と一体化して強度発現します。
  • 安定剤を付加した場合、チャンバー内は非常に柔らかいコンシステンシーを維持します。(下表および比較写真)
【N値と粘土のコンシステンシー、一軸圧縮強さの関係:Terzaghi and Peckより、 N=0~2、qu=0~25kN/m2、非常に柔らかい】
チャンバー内土砂の一軸圧縮強さquの経時変化(単位:kN/m2)
充填材 直後 1日後 3日後 7日後 特記事項
クレーショック 100% 0.6 2.8 5.6 9.6 発進前充填でチャンバー内土圧を保持
50% 3.9 22.3 53.8 90.6 切削粉と一体化して強度発現
25% 2.6 4.6 10.5 23.1 排土状況に応じてCS追加
安定剤付加
クレーショック
100% 0.6 2.7 4.1 4.3 クレーショックと粘性同等
50% 1.1 8.0 10.9 17.5 安定剤効果で強度発現抑制
25% 0.9 2.9 3.5 5.2 排土状況に応じてRe-CS追加
※1) チャンバー内排土上限強度の目安 qu=100~150kN/m2 (クレーショックハード充填実績)
※2) 一軸圧縮強さ100kN/m2程度以下と低強度のため、貫入試験機ソリッドスケールを用いて測定

 

(参考)
試験配合例
(仮壁材に用いられる単位セメント量を参考としたソイルモルタルを粉砕して使用)
  • ソイルモルタル(SM) 配合 1mm3あたり
      高炉セメントB種 ベントナイト
    (真比重) (3.04) (2.5) (1.0)
    数量 350 kg 30 kg 873 L
    ※3)単位セメント量 280kg×1.5倍=350kg/m3
  • クレーショック配合 1m3あたり
      TAC-βⅡ TAC-Re TAC-3G
    (真比重) (2.6) (1.27) (1.0) (1.37)
    数量 標準配合 366 kg 811 L 48 L
    安定剤配合 366 kg 40 kg 780 L 48 L
  • 掘削添加材(Re水) 配合 1m3あたり

      TAC-Re
    (真比重) (1.27) (1.0)
    数量 40 k 966 L
    ※4) 注入率20%で実施
試験方法
【①模擬仮壁材作製】
  • 材齢28日経過したソイルモルタル(qu=533kN/m2)を2mm未満に粉砕する。
  • 【②掘進中チャンバー内試料作製】
  • ソイルモルタル粉砕材(SM)、掘削添加材(Re水)、クレーショックを所定の比率(チャンバー内模式図参照)でミキサー混合する。
  • 混合した試料をトレーに投入し、水平に敷きならす。
  • 【③シールド機チャンバー内温度環境想定】
  • 作製した試料を40℃の恒温器内で養生する(チャンバー内の温度を想定)。
  • 【④所定経時後一軸圧縮強さ測定】
  • 直後、材齢1、3、7日後にソリッドスケールによる貫入抵抗値から一軸圧縮強さを推定する。

 

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