技術情報
泥水二次処理剤TGスコール-L
TAC技術情報 S-018001
概 要
泥水式シールド工法の二次処理は、余剰泥水の75μm未満の粒子を二次処理剤で凝集・凝結し、フロック(団粒)としたうえで圧縮等の方法で脱水して泥分(脱水ケーキ)と水分に分離します。 二次処理剤は一般的に、PACや有機凝結剤等が使用されています。 有機凝結剤TGスコール-Lは、従来のPACと比較して使用量の低減と高い脱水効果を実現し、環境にやさしく、経済性、施工性に優れた二次処理剤です。
お客様のメリット
- 従来の二次処理剤に比べ、使用量を低減できます【TGスコール-L原液濃度40%の添加量(以下「原液添加量」とする)は、泥水中の懸濁粒子(SS)1トン当たり2kg/sstが標準です】。
- 脱水ケーキの含水比(率)を減少でき、脱水ケーキ(建設汚泥)の発生抑制が可能です。
- 原液濃度40%を希釈して使用するため、ストックヤードの大幅な縮小が可能です。
- 脱水ケーキの処理コスト(運搬費、産廃処理費)を低減できます。 PACとの性能・特徴比較を以下に示します。
比較項目 | PAC | TGスコール-L | ||
成分系統 | ||||
環境面 | ・フロック形成後の薬剤の溶出は殆どない ・アルミニウムによる廃棄物が増加する ・pHは酸性に変動する ・絞り水が再利用できない場合が多い | ・フロック形成後の薬剤の溶出は殆どない ・少量添加の為、廃棄物が増加しない ・pHの変動がない ・絞り水は再利用が可能 ・ろ布などの長寿命化が図れる | ||
凝集力 | 高い | ○ | 非常に高い | ◎ |
フロック | ・中程度 ・スラッジ量増加 | ○ | ・中程度 ・スラッジ量ほぼ変わらず | ○ |
脱水性能 | ・万能的な脱水を期待できる ・過剰添加による凝集不良がある | ○ | ・土質により、非常に高い脱水性能を示す ・添加量が増えるほど性能は向上 | ○ |
pH | 酸性で、機材の腐食などが大きい | △ | 中性で、機材の腐食は少ない | ◎ |
適用pH | 6 ~ 9 | ○ | pHによらず適用可能 | ◎ |
添加量 | 25kg / sst | △ | 16.67kg / sst (5%濃度品) | ○ |
処理コスト | TGスコール-Lに比べ、脱水ケーキの含水比やスラッジが増加する為、産廃処理費や運搬費は増加する | △ | PACに比べ、脱水ケーキの含水比を低下することができる為、産廃処理費や運搬費を低減できる | ◎ |
貯蔵、ヤード | 原液使用の為、搬入頻度・ストックヤードに大きな負担が有る | △ | 希釈使用(通常5%濃度)が可能な為、搬入頻度・ストックヤードの負担が少ない | ◎ |
特 徴
- 室内での二次処理剤の濃度・添加量によるろ水量、含水率試験によって、TGスコール-L がPACに比べて使用量を低減できました。またTGスコール-Lの5%濃度(8倍希釈)が原液添加量2kg/sstで最も脱水でき、最も低い含水率となることが確認できました。これは、適度な希釈によってTGスコール-Lの泥水に対する分散性と撹拌効率が向上することによるものと考察します。