技術情報
泥水二次処理剤自動添加システムの施工
TAC技術情報 S-018002
建設汚泥の発生抑制(リデュース)とコスト低減
概 要
近年のシールド工法には、長距離・大断面・高速施工そして環境負荷低減の技術が必要とされています。長距離・大断面の泥水式シールド工法では、変化する掘削土質に対応する二次処理剤の添加量が従来の手動添加方法では過剰(余剰泥水が低比重の場合)、過少(余剰泥水が高比重の場合)となる解決策と二次処理土である脱水ケーキ(建設汚泥)の発生抑制が求められていました。 泥水二次処理剤自動添加システム【NETIS:KT-180039-A、NNTD:1249】は、余剰泥水の比重と送泥量を自動計測し、その計測値からの懸濁粒子量と適正な二次処理剤の濃度と添加量を演算してリアルタイムに二次処理剤ポンプと清水ポンプを制御するシステムで、二次処理剤の適正添加による使用量低減とともに脱水ケーキ量の低減を可能としました。その施工工事を紹介します。
お客様のメリット
- 二次処理剤使用量と脱水ケーキ量を低減でき、経済性が向上します。
- 二次処理剤添加量の過剰や過少による脱水ケーキの強度低下が無くなるので、処理土の品質向上が図れます。
- 余剰泥水比重と送泥量を自動計測し、その計測値から適正な二次処理剤の濃度・添加量を演算する情報化施工と中央制御室のシールドオペレータが二次処理剤の濃度・添加量を遠隔操作、監視できることから、施工性が向上します。
- 建設汚泥である脱水ケーキ量を発生抑制(リデュース)できるので、循環型社会に寄与するとともに、二次処理剤・脱水ケーキの運搬車両台数を軽減できるため、騒音・振動・二酸化炭素排出において周辺環境への影響抑制も図れます。
- 従来見過ごされていた二次処理剤の添加を「見える化」したもので、これによって経験の少ない工事担当者でも適正添加の管理が可能です。
- 二次処理剤自動添加装置はコンパクトにユニット化されており、狭隘な場所でも設置可能です。
- 二次処理剤であるPAC、有機凝結剤への対応が可能でシステムの選択が容易にできます。
- 余剰泥水の比重・送泥量および二次処理剤の濃度・添加量等を数値・グラフにて記録に残し、確認することができます。
- 適正な二次処理剤の添加により、脱水ケーキの圧搾、開枠(剥離性)に効果が有り、プレスサイクルタイムを短縮できる可能性もあります。