技術情報
鉱物系掘削添加材TAC-α
TAC技術情報 A-024001
掘削土砂の塑性流動化と止水性で切羽の安定を確保する添加材
概 要
泥土圧シールド工法では、シールドチャンバー内で掘削土砂を泥土化させ、塑性流動性と止水性を確保し、泥土圧により切羽を安定させながら掘進することが重要です。
鉱物系の掘削添加材を使用することで、掘削土の粒子間の摩擦力(せん断抵抗力)を緩和するため塑性流動性が得られます。また、砂・砂礫の間隙の自由水を排除し隙間を埋めるため、止水性向上につながります。
特 徴
鉱物系掘削添加材TAC-αは粒度が微細で粘稠性に優れるため、掘削添加材として使用することで、塑性流動性と止水性を高め、幅広い用途に使用できます。
品名 | 真比重 (g/cm3) |
粒度 | 膨潤力 (ml/2g) |
水素イオン濃度 (pH) |
鉱物組成 |
TAC-α | 2.6±0.05 | #250 | 10 | 10 | モンモリロナイト |
SiO2 | Al2O3 | CaO | MgO | Fe2O3 | K2O | Ig-loss |
58~72 | 17~22 | 0.9~1.3 | 0.5~0.7 | 4.0~5.5 | 2.8~3.1 | 5.5~7.5 |
配 合 例
掘削添加材試験測定例
試験項目 | 規格 | 目標値 |
ミニスランプ | JIS A 1171 | 0.5~7.5cm |
テーブルフロー | JIS R 5201 | 105~160mm |
※東京外環TN指標値
- 流動性不足の場合、ミニスランプ値、テーブルフロー値とも小さく、固い。
(チャンバー内閉塞の恐れあり) - 流動性過多の場合、ミニスランプ値、テーブルフロー値とも大きく、非常に柔らかい。
(掘削土砂の噴発現象により、切羽土圧の低下を招く恐れあり)
お客様のメリット
- 材料分離が無く、掘削土砂と混合しやすい添加材です。
- 掘削土の粒子間の摩擦力(せん断抵抗力)を緩和し、塑性流動性を発揮します。
- 透水性が高い地盤に対して、止水性を高めることができます。
- 高分子系ポリマー添加材との相性も良く、複合使用することで泥土への増粘効果が加わり、 崩壊性の高い地山でも、塑性流動化と噴発防止に役立つことができます。
- 粘稠性(水に溶解、膨潤させることで粘性が得られる)に優れ、使用量を低減できます
- 天然鉱物由来の材料であり、環境性能にも優れており、安心してご使用いただけます。